安否不明者を捜し続けるのは、家族だけではない。
神達地区で土砂崩れに巻き込まれた自営業、山下成男さん(71)の50年来の親友、小川護郎(ごろう)さん(68)=大島町岡田=は土石流の発生から連日、山下さん方があった集落へ約30分かけて登ってくる。
建物は跡形もなく、ほとんど更地のようだが、「どうしても足が向く」と、荒れた道を長靴で歩く。
山下さんは、働いていた鮮魚店の先輩。1969年3月21日、一緒に乗っていた車が大波で海に落ちたが、奇跡的に2人とも助かった。それ以来、春になると再会して酒を交わし、「この1年も無事に過ごせたな」とお互いを励ました。
22日は山下さんの妻、光子さん(64)の火葬に出席した。神達へは登れなかったが、「どんな形でもいいからとにかく早く見つかってほしい。見つかるまで登るだろう」と話していた。(SANKEI EXPRESS)