都立大島海洋国際高校は島外出身で寄宿生活をしている生徒166人を(10月)22日から一時帰省させていたが、27日午前にほぼ全員が戻った。3年生の渡辺誠さん(17)は「島の状況が分からず不安だった。今後はボランティアで島の人たちの力になりたい」と意気込んだ。大島海洋国際高校はこの日から早速、授業を再開した。
台風接近を前に、都が用意した施設に移った自力避難が困難な高齢者らは28日から29日、島に戻る。
「一刻も早く家族の元へ」
一方、中断していた行方不明者の捜索は27日朝から再開。自衛隊は、町の花であるツバキと島の形の絵をあしらった「Operation TSUBAKI RESCUE」と書かれたバッジを着け、活動に従事した。
元町地区の沢沿いでは、福島県を拠点とする陸上自衛隊第44普通科連隊重迫撃砲(じゅうはくげきほう)中隊が、流木を撤去しながら不明者を探した。
中隊長の中嶋豊3等陸佐(39)は東日本大震災の際、宮城や福島の現場でも活動した経験を持つ。「大島の被害は大震災の津波被災地を思いださせる。(中断による)遅れを挽回(ばんかい)し、一刻も早く家族の元へ返したい」。中嶋3佐は、隊員とともに捜索を続けた。