思い起こすのは過去の不祥事だ。みずほ銀行前身の旧第一勧業銀行で1997年に発覚した利益供与事件では、当時の頭取が「背景に組織上、風土上の問題があった。再発防止に万全を期す」と力説。2006年にフロント企業への顧客情報漏洩(ろうえい)で行員が逮捕された事件でも、「内部管理体制の一層の充実強化を図る」(報道発表文)と宣言した。
それでも再び、内部管理や社内制度に起因すると第三者委に批判される問題を引き起こした。みずほ銀行は再発防止策を金融庁に提出したものの、あるメガバンク幹部OBは「これまでの再発防止策と何が違うのか」と疑問を投げかけた。
行内にも首脳陣の対応に不満がくすぶる。「またD案件に足を引っ張られた」。「D」は前身の旧第一勧銀の頭文字。提携ローンを扱った信販会社オリエントコーポレーションは歴代社長が第一勧銀出身者で、利益供与事件に続き問題の発端となったことに、特にリテール(個人)分野に強い旧富士銀関係者から恨み節も漏れているという。報告書で指摘された「役職員の退任・異動にともなう断絶」や「部署間のコミュニケーション不足」は、旧行意識の垣根が背景にあるとの見方がぬぐいきれない。