みずほ銀行の問題は、反社会的勢力と金融機関のつながりを浮き上がらせた。1997年の旧第一勧銀利益供与事件以降、金融機関は暴力団とのつながりを、「一切断っているはずだ」と捜査関係者は言う。だが、どんなに「決別」を宣言しても、「反社」はあの手この手で攻めてくる。
ある指定暴力団幹部は「今回の問題は自動車販売店と暴力団が結託してローンを申し込んだケースが多いと思う。販売店が加担しているため、大半が審査を通り発覚しないだろう」と内情を明かす。その上で、「自分が知っているだけでも、230件よりもっと多いはずだ」と指摘する。
暴力団関係者が自動車ローンの融資を申し込んでいたことについて、この幹部は「高級外車を除き、数千万円するほどの高額な商品ではないし、それほど安くもない。いい頃合いだ。組織絡みではなく、末端の部分がやっている」と話す。
車の購入希望者は自動車販売店に購入を申し込み、ローンを組む場合は信販会社が審査することになる。しかし、販売店が暴力団と結託し、ローンの申込者が車の購入者本人ではなく、暴力団とは無関係な第三者の名義にすることが多いという。