成就するのは「二目ぼれ」?
武田の役どころは、おなじみの“不死身の”達郎。その後晴れて薫の夫となった達郎が妻の弟子であるイエを訪ねるという設定だ。チェン監督は、達郎がホアン、イエと3人で会食するささやかなシーンを用意した。撮影前、「アドリブで2人にこんな話をしてみたいという提案はありますか」と相談を持ちかけられた武田は、「愛というものについて、ぼんやりとですが、2人に話をしたい。見ていて楽しくなるシーンになればと考えています」と答えた。
作中で武田は、悩める中学生たちを優しく導くおはこの教師役をほうふつさせる独特の語り口で、なかなか凝った説明をしてみせた。達郎は、薫から預かってきたプレゼントのスカーフをイエに手渡し、ホアンとイエで協力して広げたスカーフをきれいにたたんでいくよう促す。「スカーフを持って近づいたり、離れたり。広げたスカーフは愛そのものだし、2人できれいにたたむ作業も愛を意味する行為なんですよ」。ベッタリと肩を寄せ合うだけの関係では、むしろパートナーへの信頼感は醸成されない。そんなものは愛ではない-。武田は熱っぽく語る。