≪民族対立、首都に波及 治安政策見直し要求も≫
近年、中国新疆ウイグル自治区で頻発するウイグル族による暴力事件が、中国政治の心臓部である首都、北京に波及したことで当局者らの間に衝撃が広がっている。
政府は国防費を上回る巨額の治安維持費を投入し続けているが、社会の不安定化は深刻さを増しており、力に頼る治安政策の見直しを求める声が強まりそうだ。
2009年7月、新疆ウイグル自治区ウルムチ市では漢族ら約200人が死亡したウイグル族の大規模暴動が発生。漢族とウイグル族の民族対立が鮮明になった。
中国当局は暴動後、少数民族の不満解消に向け経済面で優遇する一方、ウイグル族の居住地に武装警察を大規模に配置。日常行動を監視し、イスラム教徒のウイグル族の女性が着用するスカーフを「防犯目的」を理由に禁じるなど引き締めを強化した。