≪「信長や謙信も見ていた京都」感じて≫
洛中洛外図の中にも描かれた名所、二条城や龍安寺の室内を飾る障壁画も見物だ。二条城は徳川家康が築城し、三代将軍家光の時に増築された。十五代将軍慶喜が大政奉還の発表を行った二の丸御殿の障壁画は、当時画壇の頂点を極めた狩野探幽を棟梁とした狩野一門が描いた。「松鷹図」など大広間四の間の15面、黒書院の一の間、二の間などを飾った69面全てが勢ぞろい。現在の二条城では複製が展示されているが、ここでは全て本物。東京国立博物館の高い天井を利用して、障壁画を二段に再現するなど珍しい展示法が臨場感を盛り上げる。
龍安寺方丈の石庭を見渡す室内にはかつて90面の障壁画があったが、明治の廃仏毀釈の時代に売却され、その後散逸。メトロポリタン美術館とシアトル美術館が所蔵する12面が初の里帰りを果たした。また、2010年にオークションにかけられ、115年ぶりに龍安寺が買い戻した6面も公開されている。