放射線対策など課題
一方、無人探査機メイブンは、来年9月に火星に到達し上空から大気の状況などを調査する。すでに火星に着陸して活動中の無人探査機「キュリオシティー」の観測データも併せ、宇宙飛行士が火星に着陸して探査活動を行うためのプランを練るのが狙いだ。
だが、火星への旅は過酷だ。直線距離は最短でも約5500万キロと、アポロが経験した月までの約38万キロの約145倍に上り、最低で片道半年もかかる。現在開発中のオリオンは、宇宙空間で最大6人が21日間生活できる性能しか備えておらず、酸素や飲料水、食料の確保を含め大幅に滞在可能期間を延ばす必要がある。
最大の課題とされるのが、宇宙飛行士の健康を蝕む宇宙放射線への対策だ。地球を取り囲む磁気圏外に出るため、従来の宇宙船の隔壁では十分に遮断できない強い銀河宇宙線を浴び続けることになる。キュリオシティーの測定データからは飛行士が浴びる放射線量は許容量を超える可能性があると判明した。
過酷な旅で遭遇する厳しい宇宙環境から飛行士をどうやって守るのか。人類の英知の結集が必要だ。(SANKEI EXPRESS)