ヒッピーの格好で取材
村上さんは道内で小説の取材をしたことを自身のエッセーで明かしている。滝川市の道立滝川畜産試験場(当時)で、羊研究の草分け的存在だった札幌市北区の平山秀介さん(79)も取材を受けた関係者の一人だ。
「当時はやりのヒッピー風の格好で、熱心に羊の飼い方を聞かれた。誰だか分からなかったが、後になって出版社からサイン入りの小説が送られてきた」と振り返る。ファンの間では、平山さんは羊博士のモデルとうわさされている。
美深町観光協会は9月10日、さらなるファンの呼び込みを目指し、JR美深駅に「村上春樹文庫」をオープンさせた。小説の文章と町の風景写真を併せて展示し、村上さんの小説やエッセー約80冊が並ぶ。
「間違いなく物語の情景をイメージできる場所だ」と観光協会の小栗卓さん(34)。過疎化が進む町を盛り上げようと、PRに奔走している。(SANKEI EXPRESS)