爆撃を受けた村で、瀕死(ひんし)の人が放置されていた。ヒゲを生やさないという理由で、イスラム原理主義者に殺された同僚医師もいた。そんな過酷な現場を経験してたどり着いた次の現場が「教育」だ。
内向きの若者を叱咤激励
2001年、日本赤十字九州国際看護大学(福岡県宗像市)の教授となり、05年から学長に。「国際」をうたった唯一の看護大で、“内向き”といわれることも多い若者に、こんな言葉をかけてきた。
「生まれる場所は選べないのに、私たちはどこで生まれたかによって格差を押し付けられている。もし自分が別の国に生まれていたら、と考えてほしい。そうすれば外国と日本のバリアは低くなる」
留学生も多く在籍するキャンパスを巣立った学生は、「外国人だからと構えることはない」と、物おじしない。国際結婚する卒業生も多いそうだが、「外国も日本も一緒という意識を持ってとは言ったが、外国人と結婚せぇと言ったことはない」と苦笑する。