【Fashion Addict】
≪印象的、官能的美学とともに≫
世界のメークトレンドに影響を与え続ける米のビューティーブランド「NARS(ナーズ)」がこの冬、20世紀を代表するファッションフォトグラファーのギイ・ブルダン(1928~91年)とのコラボレーションを実現させた。絶えず死を連想させる描写と、あからさまにエロチックな筋書きのあるブルダンの作品は、いまなお多くのアーティストに影響を与え続けている。その一人がメーキャップアーティストであり、フォトグラファーとしても成功を収めているナーズの創始者、フランソワ・ナーズ氏。異色のコラボレーション実現の理由は、ブルダンに対するナーズ氏の深い敬意にあるようだ。
1950年代半ばから、フランス版ヴォーグでファッションブランドの広告写真などを発表し始めたギイ・ブルダン。その作品は、それまでの商業写真の常識を覆すものばかりだった。肌を大胆に露出させた女性や、死を連想させる描写など、広告としては驚きの構図と大胆で独創的なビジュアルに挑戦し、カタログのように服や靴を見せるのではなく、絵画のような写真を撮ってファッションをアートに変化させた。そんなブルダンの作品は人々の心をつかみ、死後20年以上たった今も世界中のアーティストに影響を与えている。