バブル崩壊不安
胡錦濤前政権の巨大な負の遺産が、汚職腐敗の広がりである。党幹部の不正蓄財の横行は中国の経済モデルをコントロール不能にし、習総書記は汚職腐敗一掃を掲げている。
不正蓄財される資金は香港経由などで海外にいったん移されたあと中国本土に還流して不動産などに投資され、その売買益は再び海外に流されたあと、またもや還流するという循環プロセスの中で増殖を続ける。不正蓄財規模は半端ではない。不正資金総額のおよその検討は付けられる。厳しい外国為替管理体制を敷く中国で、海外との間で合法的に出入りできる資金は(1)貿易収支の黒字または赤字分(2)中国からの対外投資に伴う利子・配当収入から外国企業の対中投資の利子・配当収入を差し引いた所得収支(3)対内、対外直接投資の差額…である。これら合法資金の増加額合計から外貨準備増加額を差し引いた額を非合法な資本収支としてみなしたのがグラフである。
一目瞭然、熱銭を中心とする資本は08年9月のリーマン・ショック直後に年間1000億ドル規模で逃避したが、北京当局による融資増で値上がりし始めた不動産に逃げた熱銭が入り、不動産や金融のバブルを引き起こした。バブル崩壊不安が生じた11年後半から熱銭は引き上げ始め、12年前半からは資本流出に転じた。