≪高まる賃上げ期待、見通せぬ先行き 「今がむしろ危ない」≫
トヨタ自動車は2014年3月期の連結営業利益予想が過去最高水準に迫り、13年のグループ世界販売でも初めて1000万台を超える公算が大きい。「最強トヨタ」に政府からは賃上げの先導役も期待される。その一方でライバルの日産自動車は減益に沈んだ。14年4月の消費税増税など業界を取り巻く懸念材料も目立ち、自動車産業が国内景気を牽引(けんいん)し続けられるかは不透明だ。
トヨタの小平信因(こだいら・のぶより)副社長は11月6日の記者会見で「東南アジア諸国連合(ASEAN)全体では前年以上の販売を期待している」と力を込めた。
トヨタグループの13年1~9月の世界販売(ダイハツ工業と日野自動車を含む)は約741万台。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の約725万台を上回っており、残り10~12月の上積みで1000万台達成も視野に入っている。