ドイツ・ミュンヘンのアパートから発見された第二次世界大戦中にナチス・ドイツが略奪したとされる約1500点の絵画の中に、マルク・シャガール(1887~1985年)やオットー・ディックス(1891~1969年)らの未発表作品が含まれていることが分かり、美術界に衝撃が広がっている。専門家は「歴史的にも価値の高い作品」としている。全作品の時価総額は100億ユーロ(約1330億円)を超えるといい、「すぐにでも美術館ができる」との声が上がっている。
シャガール、ディックス ナチス略奪
フランス通信(AFP)などによると、未発表作品の存在は、調査に協力している専門家のマイケ・ホフマン氏が11月6日までに明らかにした。日本の収集家にも人気が高いフランスのシャガールの作品は、寓話(ぐうわ)のシーンを描いたもので、1920年代後半に制作されたとみられる。
ドイツのディックスは写実主義による肖像画を多く残しているが、今回、1919年に描かれたとみられる珍しい自画像が見つかった。このほか、パブロ・ピカソ(1881~1973年)やアンリ・マチス(1869~1954年)ら有名画家の所在不明になっていた作品が多数含まれている。