インターネット上だけで流通する仮想通貨「ビットコイン」が世界中で急速に普及し、注目を集める中、先月(10月)下旬、「取引所」で4100ビットコイン(現在の取引レートで約1億3300万円相当)がハッカーによって盗まれる事件が起きていたことが分かった。記録を残さず自由に迅速に送金でき、手数料も安いことから通信販売などの決済に利用が広がっているビットコインだが、安全上の問題が新たに浮上した形で、対策を講じないと今後、仮想空間の中でも「銀行強盗」が頻発しかねないと関係者は警鐘を鳴らしている。
「戻ってくる可能性ない」
ビットコインの盗難被害にあったのは、「取引所」を運営するオーストラリア在住の少年(年齢は18歳以下)で、11月8日、米ABCニュースに“告発”した。10月26日に顧客から送金を依頼され、ネット上で操作していたところ、複数の口座から合わせて4100ビットコインが強奪されていることに気づいたという。少年はハッカーに侵入されたとしているが、「(カネが)戻ってくる可能性はほとんどないので、警察は届けない」と話した。