そもそも現在の学生たちの多くは、高価なブランド品だけを価値評価せず、コピー商品で事足りると考えているようなのだ。
つまり、次代を担う若者たちの多くが気にしていない問題でメディアが騒いでいることになる。しかも学生たちですらうすうす気づいていたことを、メディアが今回初めてその実態を知ったかのように報じているわけだ。
今日のように、激しい競争にさらされ、少しでも安いものを供給することが求められるグローバル経済の下では、「産消提携」(生産者と消費者の提携)や「地産地消」(地域の産物を地域で消費すること)を実現するのは容易ではない。
一方で、消費者が諦めてしまい、真相を追及しようとしない現代の風潮が、事業者の偽装を助長している面もある。メディアは、こうした社会全体の「偽装化構造」に警鐘を鳴らすべきだろう。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS)