惰性にしたくない
ライターの「僕」は、ノンフィクションを執筆するため、ある猟奇殺人事件の被告であるカメラマン、木原坂雄大に会いに行く。木原坂はモデルを務めていた2人の女性を焼死させていた。取材を進める「僕」だが、次第に事件の不可解さが浮かび上がっていく。
純文学作家としてのキャリアを築きながら、あえてミステリーに挑戦した。
「11年間も小説家をやっていると、ある程度のものは書けてしまう。だから、あえて毎回新しいハードルを自分に課しているんです。どんどんハードルをあげていってしまっていますが、今いるところに安住したくないし、書くことを惰性にしたくない。やっぱり、小説が好きなんですね。いい小説を書きたいし、いい小説を書けたら、そこが到達点です」
人間の本質あぶり出す
なぜ木原坂は事件を起こしたのか。そもそも、この事件は本当に「殺人」だったのか-。読み進めていくうち、ある時点で物語の見え方が反転する。