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純文学とミステリーの融合です 「去年の冬、きみと別れ」作家 中村文則さん (3/4ページ)

2013.11.13 18:00

小説で「共感の先にあるものを書きたい」と語る、作家の中村文則氏=東京都渋谷区(瀧誠四郎撮影)

小説で「共感の先にあるものを書きたい」と語る、作家の中村文則氏=東京都渋谷区(瀧誠四郎撮影)【拡大】

  • 「中村文則」という枠を、自ら次々と超えていく。この作家には、“安住”という言葉は似合わない=東京都渋谷区(瀧誠四郎撮影)
  • 「昨年の冬、きみと別れ」(中村文則著/幻冬舎、1365円、提供写真)

 「中盤に置かれたある一言で、がらりと印象が変わる。そういう構造がもともと頭にあったんです。ノートにいろいろと設計図を書いて、きっちりと構造を作り込んでから書き始めました」

 緻密な計算で読み手を翻弄する一方、人間の本質もじわりとあぶり出す。

 「人って、自分のことをこういう人間だと知らず知らずのうちに規定して生きている。でも、自分でも気づいていない欲望に引きずられてしまうことがある。そういったことをミステリーの構図を使って描きました。いわば、純文学とミステリーの融合です」

 木原坂をカメラマンにすることは、当初から決めていたという。「レンズを通して世界と向きあい、本来なら切り取ってはいけないものを切り取ってしまう職業だから。撮る者も撮られる者も、写真を通して気づいてはいけないものに気づかされる」

 「共感の先」を書く

 蠱惑(こわく)的な魅力を放つ木原坂の姉や、大切な人を亡くした人のため人形を作り続ける男…。独特のたたずまいを持つ登場人物たちが織りなす物語は、狂気をはらみながらも美しい。「グロテスクなものをグロテスクに書くのは当たり前。淡々と書くからこそ、怖い」

中村文則略歴

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