「やりがい感じる」
その多様性を実感できるのが、HPFが手がける12店舗が並ぶこの「青参道」だ。エレガントな婦人服に、とんがったテイストのベルリン発のセレクトショップ。ボーダーレスなインテリアショップがあるかと思えば、アルゼンチンのランジェリーショップや、アートギャラリーも。「HPFはたとえるなら『共和国』。それぞれのバイヤーがショップやギャラリーごとに自分の『国』を作り上げ、それが集まってHPFを形づくっているのです」。こう話すのは、男性向けセレクトショップ「DECOdeBONAIR」のバイヤー、上尾智昭さん(52)。
その理由は、村松さんの独特な仕事の始め方にある。企画ではなく、人ありき。面白いと思った人がいれば、「この人がいたら何ができるだろう」との発想で企画や店を立ち上げるのだという。上尾さんは「社長(村松さん)に『どういうコンセプトでいきましょうか?』と尋ねると、『上尾さんそのものを出してくれればいいから』との答えが返ってくる。自分が生きてきた人生経験全てをいかせるわけです。すごくやりがいを感じますね」