天童 見習いたいなあ。モノをセレクトするときには、そのどこを見て選んでいくんですか。
村松 モノではなく、「この人を作っているものを買おうよ」ということですね。やっぱりクリエーションが本質的な人と、コピーの人がいる。多くはコピーなんだけれど、その中から本質的な人を見抜いていくんです。難しいけれど。まずは人です。パリでもそうだったんですけど、すれ違って気になる人がいると追いかけていって捕まえちゃう(笑)。
あとは、現象ですね。たとえば、今ニューヨークにチェルシーマーケットという商業施設があるんですけれど、服屋さんの隣にパン工場があったりと、ネットではできない体験型のショッピングなんです。決して値段は安くないけど、すごく人が集まっている。ショッピングモールを作るとしても、そこにどんなお店を入れるかではなく、こういう現象を作りたいと考える方が重要だと思います。うまく説明できないんだけど…。
天童 いや、説明しにくいところに大事なことがあるんじゃないですか。つまり、言葉でちゃんと説明できるっていうことは他の人もきっと説明できてしまうわけで、その時点ですでに古くなるでしょう。