村松 分かりにくいものに大事なもの、未来がある。どうしても、人は異質なものを悪意なく自動的に排除してしまうんですね。社内でもそれは起きていて。僕は異質なものをやっていて、「村松プロジェクト」というセクションを作っているんですが、「社長、またお金かかりますよ」って言われちゃう。それが窮屈で、結局、自分が作ったプロジェクトから、自分が出てしまうという(笑)。普通は異質を駆逐する。それは、社会全体で起きてることですよね。がんばって、異質が存在しうる社会というか、会社づくりをやっています。
天童 人はつい他人が持っているから、流行っているから、ということで安心してしまう。でも、そんな中で、自分がよいと思ったものをよいと信じ抜くことができる感性って、磨きうるものなのでしょうか。
村松 磨けると思います。まずは、世界を見る。コピーするのではなく、感じてくること。感じれば、考えるし、それが思想になる。迷わずに自分の感性を押し出せるようになる。