骨董通り沿いの男性向けショップ「DECOdeBONAIR」でジャケットを試着する天童荒太(てんどう・あらた)さん。「服は買う気で見ないとわからないことがあるから」。左はバイヤーの上尾智昭さん=東京都渋谷区(宮崎裕士撮影)【拡大】
もっと自分を開いて
対談の中で、「人に影響を受けることを恐れない」というキーワードが出てきましたが、僕も含めたこれからの生き方のヒントになるかもしれません。
現在に生きるわれわれ、特に若い人は、人から影響を受けることを恐れてしまっているようにみえます。他者から何も言われたくないと、背伸びをすることや影響を受けることを放棄して、自分たちの中にあるものでよしとしてしまう。人を傷つけたり傷つけられるのをすごく恐れていて、影響を受けることに臆病になっている。そのことが世界、社会の分割感、孤立感とリンクしている。
人に出会って、影響を受けることを恐れないというのは、すごく人生を豊かにします。つながりは、もっと広がっていく。それは、この連載のテーマにもつながることです。これまで、人に会うことは大事だと思っていたけれど、今回村松さんとお話することで、そこから一歩踏み込んで、「影響を受け、それを喜ぼうよ」ということを見いだすことができた。大変うれしいことです。