宮内庁の検討結果では、火葬は昭和天皇、香淳皇后(こうじゅんこうごう)、大正天皇、貞明皇后(ていめいこうごう)の4陵がある武蔵陵墓地に、その都度設置する専用の施設で行われる。火葬の前後には、火葬に伴う小規模な葬送儀式が新たに設けられる。その後、政府要人や外国の賓客も参列する「葬場殿の儀」や「陵所の儀」を、昭和天皇の崩御時とほぼ同じ流れで行うが、詳細は今後詰める。天皇、皇后両陛下の陵は大正天皇陵の西側を予定している。
天皇陵と皇后陵は4陵と同様に、それぞれ別々の墳丘とするが、これまでとは異なり、同じ敷地内で一体的になるよう建造される。墳丘の形状は4陵と同様に上円下方(じょうえんかほう、上段が円形で下段が四角形)で、敷地は昭和天皇陵と香淳皇后の陵が合わせて4300平方メートルだったのに対し、8割程度の約3500平方メートルとする。
合葬を見送った理由を、宮内庁は「皇后さまが畏れ多く感じられている」などとしている。今回の変更は「陵を簡素にし、火葬にすることが望ましい」とする両陛下のご意向で宮内庁が昨年4月26日に検討を表明、1年半をかけ作業を進めてきた。検討対象は皇室行事として行う一連の葬儀で、国事行為である「大喪(たいそう)の礼」は対象外。