一方、今回の宮内庁の検討結果で火葬が復活することになったが、以前は火葬が定着していた時代もあり、伝統は変遷している。宮内庁によると、神話時代も含めた歴代天皇で土葬は73人、火葬は41人、不明は8人となっている。古代は土葬だったが、仏教の影響が強かった飛鳥時代の持統天皇が初めて火葬となった。その後は、土葬と火葬が混在し、室町時代中期から火葬が定着するようになった。
江戸時代初期の後陽成天皇の死去(1617年)までは火葬が続いたが、儒学に傾倒した後光明天皇の死去(1654年)からは土葬になった。明治維新を経て、大正末期に制定された皇室喪儀令により、天皇と皇族の葬儀は土葬が前提となった。しかし終戦後、喪儀令は廃止され、現在は明確な規定はない。(SANKEI EXPRESS)