キッコーマンでは2000年以降、中・高所得者層が利用する高級スーパーでの試食販売を定期的に行い、成功している。杉浦健駐香港代表は「香りで集客し、見た目で刺激し、うまさで魅了して販売につなげる」とコメント。調理を簡素化するための、国内で訴求していた「しょうゆとみりん1:1」を08年頃から香港でも水平展開し、香港人から信頼されている日本ブランド=高品質・安心安全を実証している。
香港におけるキッコーマンのブランド戦略は、日本食に欠かせない調味料として定着するだけでなく、現地の中華料理にも合うおいしいしょうゆとして広く認められ使われるようになることであり、香港の後ろに控える中国市場を見据えて行動している。
「一蘭」の海外1号店
今年7月、福岡を拠点に全国で約50店舗を営業している天然とんこつラーメンの『一蘭』が、香港の若者に人気の繁華街Causeway Bay(コーズウェイベイ、銅鑼灣)に海外1号店をオープンした。香港初の24時間営業で、基本的には食材も日本から調達。店内も日本と同じスタイルで、カウンターの左右が仕切られた独自の味集中カウンターを導入している。