実力行使を控える方針を示したインラック・シナワット首相(46)は1日、安全のため首相府を離れた。
反政府デモを先導する野党民主党のステープ・タウスバン元副首相(64)は先に「12月1日を勝利の日にする」と宣言し、首相府やテレビ局を占拠して政府機能をまひさせるよう、デモ隊に呼びかけていた。
治安部隊の“応戦”で首相府を占拠できない中、ステープ元副首相は1日夕、政府合同庁舎で演説し、抗議活動について「われわれは続けていく」と強調。インラック首相の兄で国外逃亡中のタクシン・シナワット元首相(64)の国内での影響力を排除するまで、抗議行動をやめない考えを示した。
行き詰まる「対話」
これに先立つ11月30日夜には、インラック首相の兄で海外逃亡中のタクシン元首相を支持する数万人が、バンコク郊外の競技場付近に集結。暴徒化した反政府デモ隊がタクシン派のバスを襲撃するなど対立が激化した。さらに、競技場に近いラムカムヘン大学など複数の場所で発砲や爆発が起きた。