にぎやかな雰囲気の中で、静かに墓にたたずむ人もいた。80歳のフランシスコ・ロペスさんは息子の墓石に腰をかけ、昔話を聞かせてくれた。
夜は無数のロウソクの光が墓地を幻想的にさせ、周辺にはたくさんの屋台が軒を連ねた。どの店も地元の人々や観光客でにぎわい、雰囲気は「死者の日」という言葉が持つイメージとはかけ離れたものだった。
メキシコの人々はこの死者の日を家族と楽しく過ごし、故人のことを想い、語り合うことで故人に自分自身の成長を示し、時間を共有することによって「生」を再確認しているのではないだろうか。そんな気がした有意義な2日間の経験だった。(写真・文:写真家 今井竜也(たつや)/SANKEI EXPRESS)
■いまい・たつや 1980年、大阪市生まれ。市立桜宮高、写真専門学校を卒業後、写真家・蓮井幹生氏のアシスタントを経て、2004年渡英。ロンドン芸術大学に在学しながら写真家として活動。07年から拠点を東京に移し、生と死を作品のテーマに世界各地を回る。13年にニューヨークを中心に撮影したファースト写真集「GHOST BIKE」を出版。