到着翌日に散策されたニューデリーのロディー庭園では、市民や在留邦人ら計約280人が出迎えた。皇后さまは歓迎した女子中学生に「カムバック。センチメンタルジャーニー」と語り、53年ぶりの訪問を感慨深く表現された。
ともに26歳だった皇太子・皇太子妃時代の1960年の前回訪問当時はご結婚2年目で、2月に皇太子さまが誕生されたばかりだった。今回も当時と同じく歓迎式典で21発の礼砲を受け、「インド独立の父」と呼ばれるマハトマ・ガンジーが暗殺された後に火葬されたニューデリーの「ラージ・ガート(ガンジー廟(びょう))」に花輪を供え、花びらをまかれた。
原爆犠牲者追悼に謝意
(12月)2日夜に行われたプラナブ・ムカジー大統領主催の晩餐(ばんさん)会のあいさつで、陛下は、前回訪問時に独立当時からの指導者たちと交流したことを挙げて「平和主義を理想とする国造りへの高い志に触れたことは、今日もなお私どもの中に強い印象として刻まれています」と振り返り、仏教伝来以来の日印両国の長い交流の歴史に触れられた。さらに、インド議会が毎年、日本の原爆犠牲者に追悼の意を示していることには「国を代表し、とりわけ犠牲者の遺族の心をくみ、心から感謝の意を表します」と述べられた。