【国際情勢分析】
台湾にとって安全保障上の関係が密接な米国と日本。一方で2008年の馬英九(ば・えいきゅう)政権発足以降、経済を軸に関係を改善してきた中国は貿易総額1位の相手。双方をにらみつつ外交・対中政策のバランスをとってきたが、次第に苦境に立たされつつある。11月には西アフリカ・ガンビア共和国からの断交通告に続き、中国が東シナ海上空で防空識別圏を設定したことで日中関係が一層緊張。尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関して独自に領有権を主張してきた台湾だが、「日米、中国大陸双方ともに対立は回避する」(与党・中国国民党幹部)という馬政権は、野党などから対中姿勢で「弱腰」との批判を浴びつつも、慎重な姿勢を堅持している。
迅速な対話呼びかけ
12月1日に台北市内で開催された「カイロ宣言70周年」関連行事。馬英九総統(63)は挨拶(あいさつ)の中で中国の防空識別圏設定に触れ、関係各国・方面に対し「東シナ海の緊張情勢を高める行動をとらないよう」と語り、また中国と「迅速に対話を展開するよう」呼びかけた。馬総統が防空圏問題で直接立場を表明したのは初めてだった。