ルービン氏はドイツの大手光学機器メーカー、カールツァイスでロボットエンジニアを務めた後、1989年から米アップルで製造エンジニアを担当。2003年に起業して携帯OSの「アンドロイド」を発明するが、05年、グーグルに買収され、「アンドロイド」と関連製品の開発に従事した。グーグル幹部はルービン氏のロボットエンジニアとしての豊富なキャリアと知的マシンの製造にかける熱意に着目し、ロボット事業の責任者に抜擢(ばってき)したとみられる。
自社開発に強み
そんなルービン氏が買収を働きかけた「シャフト」は東大情報理工学系研究科の研究者らが大学を離れ、12年に設立したベンチャー企業。従来の等身大ヒト型ロボットに比べ10倍の力を持ち、災害現場といった極限環境下での危険な作業をこなす高性能ヒト型ロボットの開発に成功している。グーグルは「シャフト」買収に伴い東京に専門の事務所を開設するとみられる。
ルービン氏はNYT紙の電話取材に「ロボット事業は世界で最も素晴らしい仕事」と明言し、ロボット事業について「月面探査計画と同じで、10年の展望と十分な滑走期間が必要だ」との見通しを明かした。