「抑圧された側も、圧制者の側も、偏見と不寛容から解放されなければ、本当の自由は達成されない」。報復におびえる白人、肉親を殺害され、怒りに燃える黒人…。苦悩の中でマンデラ氏は国民にこう呼びかけて、許しと双方の和解に努め、分裂しそうな国を一つにまとめた。
マンデラ氏は何事にも完璧な聖人君子やエリートとも一味違っていた。離婚歴2回というのもよく知られており、1998年に80歳で27歳年下の3人目の妻グラサさんと再婚。「彼女の愛と献身のおかげでこの年になって私の人生は満開だ」とのろけてみせた。一方で、2004年に最初の妻イブリンさんが亡くなると、葬儀には2番目の妻ウィニーさん、グラサさんとともに参列している。
「報復から光の国は生まれない」。苦悩の中で光を得た巨人が残したメッセージは、自由のために闘う人々に真の指導者のあり方を示唆し続けるであろう。(SANKEI EXPRESS)