ファイナル前に、チャンについて聞かれた羽生は、「自分の演技に集中できるかが課題」と話した。シリーズの2戦でチャンを意識し過ぎて空回りしたが、自分を冷静に分析することを心掛け、その言葉通りの演技で、前夜のSPでは世界歴代最高の99.84点をマークし、チャンを上回った。
そして迎えたこの日のフリー。「ロミオとジュリエット」は、仙台出身の羽生が東日本大震災後の2011~12年シーズンに演じた思い入れのあるプログラムだ。最終滑走の重圧にも気持ちが揺れることはなかった。
GPファイナルは、ソチ五輪のいわば前哨戦。ここで勝った意味は大きい。激戦のソチ五輪代表の座をほぼ手中に収めただけでなく、3週間前のフランス杯で約31点離され、遠ざかったチャンの背中を引き戻した。ソチ五輪本番での、ジャッジの印象も変わってくる。
「18歳最後の日にフリーを滑れる幸せをかみしめてやりたい」と話していた羽生は、ソチに向け大きな自信をつかんだ。(SANKEI EXPRESS)