12月13日から東京で開かれる日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議の共同声明案が判明した。中国による東シナ海上空への防空識別圏設定と飛行計画提出要求を受け、「上空飛行の自由」を訴え、「国際民間航空分野における(力の)乱用は安全保障への脅威」になると懸念を示す内容となっている。
日ASEAN外交筋が明らかにした。ASEANは一部加盟国が南シナ海の領有権をめぐり中国と対立。中国は南シナ海にも防空識別圏設定の意向を表明しており、日本は「海と空の安保」でASEANと首脳レベルで認識を共有、米国などとともに対中牽制(けんせい)を強めたい考えだ。
ただ、ASEAN内には経済関係の深い中国を過度に刺激したくないとの意識も強い。日本が作成した声明案だが、防空識別圏をめぐっては日本の思惑通りのメッセージが出せるかどうかは不透明だ。
共同声明は「日・ASEAN双方が直面する地域的、世界的な課題について共通の立場を確認する」(外交筋)のが狙い。声明案では「公海上空の飛行の自由」の重要性を指摘し「国際民間航空に関わる(力の)乱用」が安保全般に対する「脅威」だと強調している。