12月6日付のWSJは、バイデン氏訪中に関する記事の中で、「米中が対立姿勢を弱める兆しがうかがえる。両国は、地域の安全を脅かしたり航空機の操縦士や乗客の生命を危険にさらしたりするような手段での対応はしないとの了解に向かっている」と報じている。
はしご外される日本
日本ははしごを外されつつあるようだ。これでは、中国に圧力はかからない。こうした米国のちぐはぐな動きを、12月5日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の論評は、「日本は中国の圧力を、危険で差し迫った挑戦とみているが、米国にとっては、やや遠く離れた懸念材料であり、地政学的なチェスボード上の1コマなのだ」と解説する。
FTは、中国は自国の力量を過信するが海上自衛隊の能力には及ばないため、「簡単に尖閣諸島の支配を確立することはできない」と断言。
また、支配したとしても尖閣諸島に戦略的価値はなく、逆に他のアジア地域の日本への信頼を高めることになりかねないと見通す。