この監督官は「委託や請負の形で働くトラック運転手などは、雇用保険や労災保険に加入できず、最低賃金も守られていない。こういう働かせ方をする会社こそが問題だ」との見方を示す。
法律上の“労働者”として扱われないことが多く、労基署も実態を把握しきれない深刻なケースもあるとみている。
労組の組織率も過去最低
劣悪な労働条件を改善するためには労働組合の役割も重要だが、12月17日に厚労省が発表した調査では全体の組織率は17.7%で過去最低。中小企業では労組がない方が多く、非正規労働者の加入もなかなか進んでいない。
厚労省や全国の労働局、労基署職員でつくる「全労働省労働組合」の森崎巌委員長は「労使が対等に話し合うため、職場に労組を作るよう促していく政策も必要だ」と提案。労働相談を手掛けるNPOからも「労基署は労組やNPOと連携すべきだ」との声が上がる。