フランス・首都パリ【拡大】
フローシュ氏は「正確さには疑いの余地がない」と主張するが、タッソーが作ったデスマスクそのものに疑念を呈する見方もある。ソルボンヌ大学でフランス革命を研究する歴史学者のギヨーム・マゾウ氏は「処刑後、ロベスピエールの遺体は直ちに処分されたとみられており、タッソーがデスマスクを作る時間と機会があったのか疑問が残る。また、タッソーは王党派であり、左派のロベスピエールとは政治的にも対極にあった。意図的に偽物を捏造したとしても不思議ではない」と説いている。
マゾウ氏はその上で、「真偽の判定は、中立を保ち、慎重に行う必要がある。ロベスピエールの人相がどうであったかは歴史的インパクトが大きいからだ」と警告した。
復元された顔は、フランス革命、そしてロベスピエールがいまだに深く仏社会に波及力を保っていることを図らずも明白にした。(SANKEI EXPRESS)