さらにツバメという和風の言葉を選ぶことが、今までのイメージにこだわらない、というスタンスをより推し進めているように感じる。強いロックサウンドが鳴っているにもかかわらず、歌詞が容易に聞き取れるところが「邦楽っぽい」のだ。それも彼らの曲の今までの印象とは違う。
こういった変化は、ボーカルで歌詞を担当する村松の、バンドを引っ張っていくという自覚や主張が少なからず影響しているのではないか。過去の経歴や既出のプロフィル上で言うと生形と日向が前に出がちだが、思い切った日本語詞の言葉選び、ボーカリストとしての歌の存在感が以前に比べ格段にこのバンドを特徴的に色づけている。いい意味で彼の自己主張がこのバンドに欠かせないものとして楽曲に反映されているのだ。
新作の音を聴くと、4人の音がブレンドしつつもそれぞれが曲をリードするように前に出てくる。切磋琢磨してきた時間と作品の積み重ね、おのおのの自覚が、このバンドを名実ともに今のロックシーンのオールスターメンバーと呼ぶにふさわしいものにしている。(音楽評論家 藤田琢己/SANKEI EXPRESS)