「ジェネリック家電」と呼ばれる家電製品が人気だ。新薬の特許が切れた後に同じ成分で製造される安価なジェネリック医薬品(後発薬)になぞらえ、機能を絞り込んだり、古くなった技術を使ったりして割安な価格を実現。大手家電各社の製品のような多機能やブランドにこだわらず、実用性と安さを重視する消費者に支持されている。
「これで十分」
「パンや餅を焼くだけなら機能が単純な方がかえって便利。高齢者や1人暮らしにはこれで十分です」。家電量販店のコジマ成城店(東京都世田谷区)を訪れていた60代の主婦は、数千円のオーブントースターを手に納得した表情を見せた。
手作りパンもできるといった多機能を売りに1万円を超える機種もある中、機能を最低限にとどめて手頃な価格にしたジェネリック家電だ。店内には、同様に価格を抑えた電気ストーブやホットカーペットなども並ぶ。