亡夫も激励してくれるはず
マルコビッチ、プポーをはじめ、ミシェル・ピッコリ(87)、カトリーヌ・ドヌーブ(70)、マチュー・アマルリック(48)ら名優たちが名を連ねる本作で、いわば泥縄で監督を任されたサルミエント監督は、どう自分の色を出そうとしたのか。「強いて言えば、戦時中に生きる女性たちの視点から物語を描きました。もちろん男性のラウルが監督だったら作品は別のものになっていましたね。ラウルは多くを語らずに亡くなってしまったし、私はアーティストとしての能力を信じ、物事を考える自分の基準に従ってベストを尽くしました」
40年も連れ添ったラウル監督は、いつも「映画を撮りたい」と口にし、そのためなら、なけなしの金でさえもはたくような人物だった。最愛の妻が撮った本作を見たら…。「きっと彼は私の映画を好きになってくれると思うし、私に『映画監督を続けなさい』と激励もしてくれるはず。私がスランプで気分が落ち込んだとき、ラウルは『重要なのは撮り続けることだ』とよくアドバイスしてくれたから」。12月28日から全国順次公開。(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS)