現場に居合わせ衝撃受け
ジョルダーナ監督が40年以上も前の事件を映画化したのは、事件が青年時代の忘れがたい「極めて個人的な思い出」だったからだ。ジョルダーナ監督はSANKEI EXPRESSの電話取材に「事件が起きた直後、偶然、現場近くに居合わせました。まだ19歳だった私は大学へ行く途中でした。大惨事を目の当たりにして大きな衝撃を受け、この事件を忘れたことはありませんでした」と振り返り、映画監督となってからは「いつかこの事件に関する映画を撮りたいと胸に秘めていました」と語った。
映画化に踏み切った理由がもう1つある。ジョルダーナ監督はこの事件を知らないイタリアの若者が多くなったことを憂慮してのことだった。「歴史的事件は忘れ去られるべきではなく、何が起きたのかを知ることは時代を経ても大切です。語ることがなければ、どんな出来事も消えてしまうのです」。「映画は何が起きたのか真実を伝えることができる有効な手段」との強い信念を持つジョルダーナ監督は、しっかりと事件の全体像を再構築できれば、当時の国民が抱いていた微妙な感情までもすくい取れると考えたそうだ。