パナソニックが“アイアンマン”スーツを世界に先駆け量産化 (1/3ページ)

　パナソニックが、筋力を機械的にサポートして重い物を持ち上げる「パワードスーツ」を世界で初めて量産化することが１月２日、分かった。２０１５年にも発売する。年間１０００体を生産し、価格は１着５０万円程度を想定している。災害救助や原子力発電所内など短時間での作業が求められる現場での利用を見込んでいる。将来的には、宇宙や深海などの過酷な環境下でも使えるスーツも開発する。

　軽々１００キロ持ち上げ

　体に装着することで、人間の筋力の限界を超える力を引き出すパワードスーツは大学、民間企業など複数の機関が研究開発を進めているが、量産化の例はまだない。パナソニックのスーツはパソコンやスマートフォン（高機能携帯電話）のバッテリーに使われているリチウムイオン電池を大型化して搭載し、モーターで動く。「つかむ」「離す」といったアーム（腕）の操作は、使用者の手元にあるグリップで行う。

　開発はパナソニックの子会社で、ロボット事業を展開するアクティブリンク（奈良市）が手掛けた。１００キロの重量物を持ち上げることができ、人間の小走り程度の最大時速８キロで走行、１０度の勾配（こうばい）の坂をのぼれる試作品を製造することに成功した。

世界で開発競争