しかし、オバマ氏はこれまでに通話履歴収集の有効性を認めており、(2013年12月)20日の記者会見でも「NSAが集めた情報を活用するうえで不適切だったという実例はない」とNSAを擁護。また情報収集活動が不十分だった結果として米国内でテロが起こった場合には、「翌日の記者会見で、テロ攻撃の発生を予見する方法はなかったのかと追及されることになる」とも述べ、苦しい胸の内を明かした。
オバマ氏は米国をテロ攻撃から守るため、NSAによる通話履歴収集を容認したいのが本音とみられ、ニューヨーク南地区の連邦地裁の判断は心強い援軍になったといえる。ただしワシントンの連邦地裁の判断が示したように、通話履歴収集の合憲性はグレーゾーンにあることも事実だ。
NSAの活動には、プライバシー保護を重視する民主党リベラル派議員のほか、政府による市民生活への介入の抑制を求める草の根保守運動「ティーパーティー(茶会)」系議員も反発を強めており、オバマ氏は議会に対しても難しい説明を迫られることになる。(ワシントン支局 小雲規生(こくも・のりお)/SANKEI EXPRESS)