「科学的意味はない」
各国に大迷惑をかけたショカリスキー号は海洋調査船とは名ばかりで、乗客デッキのほか、ダイニングルームやバー、図書館、サウナなどを備えており、これまでもオーロラ観賞ツアーなどにチャーターされたことがある。
今回もオーストラリアの探検家ダグラス・モーソン卿(1882~1958年)が行った南極探検の100周年記念として同じルートをたどるという観光色の強いツアーで、乗客の半数26人が観光客だった。
科学者19人、記者4人も乗船していたが、フルノ氏は「科学的見地からすれば、この記念遠征に何の意味もない」とバッサリ。
南極には学術研究などを目的とした各国の基地が約80カ所あり、10~3月の短い夏は調査・観測に加え、越冬のための食料や燃料を補給する重要な時期だ。ここ数年、南極海では海氷が増え、厚みを増していると報告されている。