実際、日本の観測船「しらせ」は一昨年と昨年夏、昭和基地への接岸を阻まれ、燃料不足が深刻化していた。今月(1月)4日に3年ぶりに接岸に成功したが、船首を氷に乗り上げさせて割る前進後退を2000回以上も繰り返したという。
南極大陸に上陸してペンギンを観賞したりするツアーは人気があり、ニュージーランドやチリを基点に実施されているが、各国の砕氷船が救助活動にかり出されるような事態が続発すると、基地への補給が断たれ、運営が危うくなりかねない。
フルノ氏は「南極を科学者以外立ち入り禁止にする理由はないが、観光については監視や規制をすべきだ。旅行会社は必ず救助できるよう準備しておく必要がある」と、警鐘を鳴らしている。(SANKEI EXPRESS)