それが、年末年始をはさんだとはいえ、延期を通告してきたのは1月7、8日。出発日まで1週間を切っていた事業もあり、宿泊や交通などの受け入れ準備を考えると、まったく「大人(たいじん)の国」らしからぬドタキャンだ。
確かに、中国外務省は、首相の靖国参拝直後の談話で「日本側は引き起こされる結果を引き受けなければいけない」と対抗措置を取ることをほのめかしていた。その通りの行動を起こした中国に対し失望こそすれ、改めて首相の参拝批判につなげるのは筋違いだ。
一方で、中国は昨年(2013年)11月、尖閣諸島(沖縄県石垣市)上空を含む東シナ海の防空識別圏を設定し、中国海警局の船は尖閣周辺の領海侵犯を繰り返している。昨年(2013年)1月に中国海軍艦船が海上自衛隊護衛艦に射撃管制用レーダーを照射した問題は、これが自衛隊でなければ軍事的な衝突に発展してもおかしくない極めて危険な行為だった。