「緊張というよりは、遠くから足を運んでくれた人たちに楽しんでもらいたかった。地元の北海道で見にきてくれた人たちに飛び込んでいくのは幸せでした。いい日になりました」
別格のジャンプを見せた高梨はこう語り、昨年は表彰台を逃した宮の森で成長の跡を示した。1本目を飛ぶまでに悪天候で再三、前の選手たちがスタートを仕切り直した。集中力が途切れやすい状況下で、1回目にこれ以上飛んだら危険というHS(ヒルサイズ)にあと1メートルと迫り、着地の安定を重視してゲートを1つ(50センチ)下げた2回目も無難にこなした。
2人で35戦27勝
前戦のロシアでのW杯は飛び出しで前へ突っ込みすぎる悪い癖が出たが、小学生のころから慣れ親しんだジャンプ台できっちり修正した形だ。日本の小川孝博チーフコーチ(47)は「気持ちを試合でコントロールできている」と精神面の充実を評価。高梨が競技を始めて以来、指導に当たっている父、寛也さん(45)は「ジャンプの流れが良かった。修正点はあるが調子はすごくいい」と笑みがこぼれた。