日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2013年11月28日、千葉県内(瀧誠四郎撮影)【拡大】
人はこの世に生まれると同時に両肩に2人の神様がつき、右肩にはその人のすべての善い行いを伝える「同名天(どうみょうてん)」、左肩にはその人のすべての悪い行いを伝える「同生天(どうしょうてん)」、この2神を合わせて「倶生神(くしょうじん)」と申します。倶生神はその人が死ぬと天に戻りますが、生まれたときから死ぬまでの間、天に伝えられたその人の善悪の言動や考え方はすべて次に生まれるときの判断材料となります。私たちは輪廻転生(りんねてんしょう)を繰り返し、生を受け死ぬまでの間に行動、言葉、心でさまざまな善悪の業(ごう=行い)を積みます。それを仏教では「身・口・意の三業」と申します。人に迷惑をかける行動をしたり(身業)、嘘をついたり人を傷つける言葉を吐いたり(口業)、心に憎しみや怒りを抱くとき(意業)、その人は三業で悪を積んでしまうのです。また正しい行いをし、嘘や偽りのない言葉を使い、人を思いやる慈しみの心を抱くとき、その人は三業で善を積むのです。