日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2013年11月28日、千葉県内(瀧誠四郎撮影)【拡大】
人として倫理道徳から外れた言動を恥じ、正しい人生観を持ちましょう。そして来世の存在を信じ、善業を積んで同名天が活発になる一年にしていただきたいと心より願っております。
≪来世の幸せのため、今生を正しく生きる≫
「生あるものは必ず死す」とは世の常であり、誰も免れることはできない自然の哲理です。しかし仏教では「肉体はいずれ滅んでしまうものだが魂は永遠に存続する」と説かれています。魂が永遠なるがゆえに、輪廻転生といって車輪がぐるぐる回り続けるように生死を繰り返しているのです。
この輪廻転生(りんねてんしょう)のお話を致しますと「じゃあ今度はお金持ちの家に生まれてきたい」とか「人がうらやむような美女、美男子がいい」などといわれますが、残念ながら自分の思う通りに生まれてくることはできません。私たちは「業生」といって自分の行った善悪の行い(業因)により次に生まれる境遇(業果)が決まってしまうからです。因果経に「現在の自分を見れば前世の原因も来世の結果もわかる」と説かれています。今生(現在の境遇)も未来(輪廻して次に生まれてくる境遇)も自分自身が作り出すものなのです。