Vサインで喜ぶ朝井まかてさん(右)と、ジャージ姿でひょうひょうとした雰囲気の姫野カオルコさん(左)。それぞれの個性があらわれた=2014年1月16日午後、東京都千代田区の帝国ホテル(鴨川一也撮影)【拡大】
デビュー以来、江戸期の庶民の暮らしや人情を描写した時代小説を発表。受賞作は、水戸藩士に嫁ぎ、天狗(てんぐ)党の乱で投獄されながらも歌人となった中島歌子の生涯を通し、幕末から明治の動乱を描いて新境地を開いた。「尊皇攘夷、文明開化など激動の時代に、歴史に埋もれた人々に光を当てたかった」という。
小説を書きたい-。そんな思いを、子供のころからずっと抱いていた。1行書いては筆が進まず投げ出して、を繰り返した学生時代。卒業後はコピーライターとして広告制作会社に就職。家電や化粧品などのコピーを生み出す仕事にやりがいを感じ、「創作意欲が仕事で満たされて、小説は書くより読む方に夢中になっていた」と振り返る。
10年近く勤めた後、会社の後輩だった夫と制作会社を立ち上げて独立。クライアントにも恵まれ充実した日々の中、小説への思いが再び胸を占めるように。「このまま1作も書かなかったら、死ぬとき絶対後悔する」と、田辺聖子さんや玄月さんらを輩出した大阪文学学校の門をたたき、課題で書いた作品がデビューにつながった。