昨年(2013年)9月、五輪開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会が行われたブエノスアイレスで肩を並べて歓喜したパートナーの猪瀬直樹前東京都知事は、「政治とカネ」の問題で12月に辞任した。東京五輪開催決定時には想定できない事態だった。
東京都のトップ不在は五輪準備の停滞を招いた。大会組織委員会の会長人事は、財界から辞退者が相次いだ。結局、安倍首相の「政治の師匠」の一人である森喜朗(よしろう)元首相に落ち着いた。ただ、副会長や事務総長など、屋台骨となる幹部人事は24日の組織委発足直前までもつれこんだ。
次の五輪パートナーは誰か-。安倍首相の神経はそこに集中せざるを得ない。
元首相の細川護煕(もりひろ)氏は新宿区の都庁前で行った第一声の大半を「脱原発」に費やした。五輪に関しては東北地方との「分散開催」に言及したくらいだった。細川氏と「脱原発」の一点で共闘する元首相の小泉純一郎氏は街宣車の上でマイクを握ると、こう言い放った。
「関係者が原発なしでオリンピックなんかできるのかと小泉批判を始めた。調べてみたら、五輪招致委員会は昨年(2013年)、『東京五輪は原発なしでやっていける』と世界に宣伝していたじゃないですか!」